午後になり、あらかじめ隣地境界との距離などを確認し、万全の体制で臨んだ。定刻通り2人の役人が現れ、真っ先に北側のカーポートへ直行する。挨拶も早々にこの建物の確認申請を担当していたほうの役人Aが「このカーポートにシールが付いていませんが」といってきた。
「何のシールですか?」と聞くと、法22条地域で使える材料かを示すシールとのこと。主任に製品に同梱されていたか確認するもわからない。
そもそも、確認申請の時から、なぜかこの役人Aはカーポートの屋根材であるポリカーボネートに異常なほどの興味があった。申請時には、カタログと認定証まで提出していたので、副本の認定証を見せると。「フツーはシールが付いているんだよね。この製品がこの認定証のものだという証明ができないので、あとで出荷証明を出してください」ときた。
「何でこんな既製品でそこまで言われるのか」と思ったが、初っぱなだったので、指摘を受け入れ、家の内部に入る。
内部で指摘を受けたのは、階段の手すりがまだ付いていないことと、1階のトイレの換気扇が24時間換気を兼ねているので、その表示をすることの2点だった。24時間換気扇のスイッチは、通常他のスイッチとは別につけるよう指導されるので、交換を覚悟していたのだが、この区では、そこまでは言われなかった。
こうなれば、パソコンで簡単に作成できるので、後日使用上の注意まで作ってスイッチプレートに挿入した。
□後日取り付けたプレート

外の境界の離れなどの測定もせず、そろそろ終わりかなと思っていたら、もう一人の検査官(役人B)が役人Aにとんでもないことを言い出した。
役人B:「この建物は、小屋裏がないから、軒高の算定は、最上部になりますよね」
役人A:「???。」「すみませんけど、スケール貸してもらえますか?」と私にスケールを催促し、副本の断面図を測りだした。
役人A:「軒高が最上部だと、7mを超えるから、日影規制の対象になるなぁ・・・。」
「はぁ?何考えてんの?自分で確認済をしておいて、この期に及んで日影規制云々をいいだすなよ!」
と、言いたかったが、そこは、抑え気味に「ここまで出来ているものをどうしろと言うんですか?軒高の件は、片流れならそのようなケースは知っていますが、今回の物件のように段違いの屋根で、小屋裏空間がないと軒高を上で測るなんて、これまで経験がありませんし、聞いたこともありません。」とやや強い口調でいうと・・・。
「困ったなぁ・・・。何か考えてくれませんか?」
「おいおい、そりゃこっちの台詞だろ!」と心の中でつぶやきながら図面を眺めていたら、彼らが言っている最上部は、束の上に母屋が乗っているところであり、半間内側が屋根を支えている梁がかかっていることに気がついた。
スケールであたると分一で7m弱だったので、「軒高をココだとは認めたくないですが、そちらの立場もあるでしょうから、大梁は手前の位置にあるので、ここの高さが7m以下だということでどうでしょうか?」
すると、「じゃぁ、そうしましょう。」とあっさり話がまとまった。
こんなんで、本当に確認業務の信頼回復はできるのかなぁ・・・。
後日談だが、カーポートのポリカーボネートは、メーカーに問い合わせると随分前から、シールは廃止されているそうで、現在製造されているカーポートの屋根は、すべて法22条地域で使用できるものだそうである。
きっと彼は、カーポートに苦い経験があるのだろう。今回の建物では、玄関の庇にだってポリカーボネートが使われていたのに、それには目を向けず、カーポートだけに異常なこだわりを見せていたからねぇ。
後日、検査済証を取りに行ったときも、納品書の品番とこの認定書が一致するかどうか確認したいと、自らメーカーに電話をするこだわりようは、やはり異常としか思えない。
そこまでこだわる内容ではないと思うけど、他の建物も真剣に検査してくれるのだと期待していますよ>担当者さん!
なにはともあれ、一応完了検査は終了した。明日は、仲間内の見学会である。天候が悪そうなのが気がかりだが・・・。
大宮の建築指導課ですね。わたしも散々な目にあいましたが、まさにこの日記にあるまんまの対応でした。
6/20法改正以降、訂正印がなしになったと言っているのに、訂正箇所の指摘を二転三転させるので、その度に書類を書き直して通いつめました。最後はベテランの役人が出てきて即決です。
真北は磁北からは出ないので、秋分の日に測れといわれたときは、空いた口がふさがりませんでした。しかも北側斜線制限のない敷地だったので、申請が降りたあと、「やっぱりいらなかったんですよ」とおっしゃる。
計画変更を出したときなんか、もう一度他の課で道路の幅員等を調べて来いと言って用紙を放られ、給気口の位置の変更まで「変更面積」といって壁の穴の面積まで手数料を取られそうになりましたが、その場にいた他の役人が「そんなのは法文にない」と一喝、用紙も書かなくていいということになりました。「申請をおろしたのはあなたでしょ。なにも変わってないのに調べに行く意味がない」と言われて、なんと自分の席に引っ込みました。
残されたわたしとその役人。わたしは担当を変わってくれるようにお願いし、その担当を降ろしました。
「なにか考えてくれませんか?」あたりが同じ担当のにおいがします。大宮では、担当を変えさせた例を多く聞きます。
うちはこれからが完了検査です。基準法はすべて守っているのに、無駄な手続きが増え、工期は遅れるばかりです。
愚痴で申し訳ありません。
あまりにも腹が立ったため、同じような苦労をされた方を見つけて書き込ませていただきました。
おたがい頑張りましょう。
確認申請の厳格化で行政だけでなく、民間の審査機関も大変らしいですね。
ちなみに、友人が上尾の家(http://jfa002.seesaa.net/)の見学後、大宮区役所に同様の木造4層建ての計画を相談に行ったところ、まったく認めないとのことだったとか。
確認申請は、各審査機関の判断になりましたから、このようなことが起きますよね。設計する側としては、やりづらい世の中になりました。
審査基準の統一を期待していたのにいつの間にか逆の方向に進んでいます。
しばらくは、このような事態が続くのかと思うとデザインも保守的になってしまうのでしょうか・・・。